1954年(昭和29年)の東洋経済新報の裏表紙の広告にあった日野のトレーラーバス。絵で見る限り、かなり大きなもののようです。
調べてみたところ、これは日野T11B+T25型トレーラーバスというものらしく、まず昭和21年(1946年)に第二次世界戦争中に製造していた装甲兵車のエンジンを利用し、トレーラートラックを生産し、それを元に翌年にトレーラーバスを生産したものらしい。全長13.8M、乗員96名となっている。現在でも非公開ながら日野自動車に保存されているらしい。
当時は、結構需要があったらしく、路線バスや観光路線でも活躍し、昭和25年(1950年)まで生産されたらしい。 さて、このトレーラーバスが実際に活躍している画像が、研究室の資料の中にありました。
これは第二次世界大戦直後の大阪の観光絵葉書。御堂筋を紹介している絵葉書に、トレーラーバスが写り込んでいる。拡大してみると、そこに写っている人物との対比から見て、かなりの大きさだったことがわかる。
ちなみに昭和24年(1949)4月25日からGHQの指令に基づき大蔵省告示第237号が公布され、1ドル=360円の単一為替レートが実施された。それまでは連合国軍総司令部(GHQ)の管理下で再開された外国貿易は、品目ごとに別々にレートが設定されたものが、単一為替レートが実施されることで、中小企業を中心に輸出に大きな影響が出ると議論になっていた。このトレーラーバスの広告が掲載されている東洋経済新報の特集は、この360円為替レートに関するものである。
しかし、そこに掲載された一文を読むと、現在でもそのまま使えそうな内容で、中小企業を研究している者からすると、なんだかちょっと複雑な気分にさせられる。
『「中小商工業は良質とサービスを本位に・・・・強みを生