2009年06月

日本の代表的工業地帯・京浜工業地帯。
その中核をなす川崎市。
そう、川崎市といえば、岡本太郎美術館・・・あ、間違えた・・・[E:coldsweats02]

川崎市といえば、ものづくり共和国!

ものづくり共和国」とは、川崎市下野毛地区の機械加工関連の2世、3世経営者が集まって活動をしているモノ作りに携わる人達の為の情報交流グループ。私、中村も「ものづくり共和国」のメールマガジンの執筆者でもある。⇒ ものづくり共和国HP

そのものづくり共和国が、「かわさきデザインギフト」対象商品を完成させました。

その名も、プラント・プラン [E:sign03]

訳すと、工場計画!! (植物計画ではございません。念のために。)

届きました。わが研究室にも。プラント・プラン。
机上で、工場をわがモノとして作り上げ、そして眺めて楽しめるというそれが!

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配送用に厳重に梱包された包みを解くと・・・・

CDジャケットと見まがうかっこよさ!















   
   
    
    
    
   
   

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ジュラルミン削り出しのパイプとジョイント部品・・・・
それらがマグネットで繋がっていく。

そして、次第に机上にプランとが形作られていく。

自分だけのプラントが、美しく輝いていくのだ!



   







  
   

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 なんだ、こんな単純なもの・・・・・

 そう言いながら、次第にその魅力にはまっていく。
 
 単純に見えて、そうでなはない。
 
 マグネットの磁力と、接合部、
       そして長さの異なるパイプ。
 どのように組み合わせるのか。

 

次第に無口になり、没頭する・・・・

       
  

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 そう、あの京浜工業地帯のコンビーナート群の光景が再現される・・・・
 
 あくまでクールなジュラルミンの輝き
 
 羽田空港から横浜へ向かう首都高からの光景を思い出すぜ・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 と言うわけで
 ちょっとまじめに戻りますと、この商品は、
「ものづくり都市として日本の経済成長を支えてきた優れた技術力や様々な表情を持つ川崎の魅力をPRすることを目的に、川崎PR製品開発委員会を通じて、市内中小企業が新たに開発した、デザイン性を兼ね備えた川崎のギフト商品」の一つとして、造り出されたものです。

 不況が続き、暗い雰囲気がまだまだ強いですが、そんな状況だからこそ、なにかおもしろいものをと「ものづくり共和国」のみなさんが金属加工の技術を駆使して作り上げた大人のためのインテリアホビーなのです。なので、お値段、ちょっと張ります。

 しかし、やりはじめるとはまります。また、セットになっているLEDを点灯するとコンビナート群の夜景を思い出させる不思議なものです。(現在販売中のセットにはLED台座はセットされておりません。撮影に使用したものは試作段階のものです。)

 ということで、普段は個別商品の紹介はしないのですが、頑張れ日本のものづくりということで、こんな遊び心ある製品もできたということで、紹介します。

 詳しくは⇒ こちら『ものづくり共和国 オリジナルWEBSHOP』

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*販売価格

15,750円(税750円)

*製品構成
パイプ 20mm:10本 40mm:7本 50mm:7本 70mm:4本 100mm:4本
ジョイント 角型10個 ナット型15個
パイプ収納箱      1個
ジョイント収納箱 1個
台(LED無)       1台
台保護シート      1枚
取扱説明書        1枚
※(台保護シートは台に傷を付けたくない場合に使用します。透明な台紙をはがしてからご使用ください)
なお、この商品は「かわさきデザインギフト」対象商品です。





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Agenticon  なくなる前に現場に急行!

 今、というかちょっと前まで話題だった大阪府立国際児童文学館。今年度いっぱいでの廃止が、大阪府知事によって決定された施設ですが、意外と行った事ないんですよねえ。なくなっちゃう前に見に行って090526172839おきましょう。

 場所は、大阪万博公園内。車だと名神・中国・近畿高速の吹田インターチェンジから5分。駐車場は、文学館のすぐ横です。電車だと、大阪・梅田から阪急電車で南茨木駅で大阪モノレールに乗換え、大阪市内から約30分という思ったより、便利な位置にあります。

 地理をご存じない方だと、すごく遠いところだと思われるみたいですが、モノレールができたので便利です。「百聞は一見にしかず」とにかくでかけてみましょう。

 一般の向けには毎週土・日・祝日の午後3時から、予約不要、無料で開催されています。コースは、小学生向けと、中学生以上の大人向けの二つあります。団体の場合は、事前に申し込むと、土日祝日以外でも開催されるそうです。

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Kusericon  「こども向けの本なんて、興味ねえや・・・あれっ!!」

 

 さて、資料館の倉庫の中なんて、なかなか入ることはできないですから、ちょっとワクワクです。しかしまあ、「児童文学館」ですから、おこちゃま向けの本ばっかしでしょうしねえ・・・

 

 いよいよツアー開始ですが、集合場所となる一階のこども室。なんだか小さい。その辺の図書館の児童室なんかより、小さいし、なるほどここで子供がマンガを読んでいると、某えらいさんが文句つけたのは。確かにこれなら普通の図書館で充分だな・・・

 

 と、説明を聞いてみると、実は、この施設、図書館ではない。確かに、「国際児童文学図書館」ではないわなあ・・・・・・

 

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ことらしいです。ちょっと誤解していたかも。

 

  図書館の目的は、多くの人に本を読んでもらうということなのですが、ここの設立本来の目的は、多くの児童向け書籍を保存し、後世に残し、各種研究資料として活用してもらうということ。なので、当初、このこども室も設置される予定がなかったそうです。

 

Scrollicon  「こどもの本やから、もっと子供が手にとって読めるようにせい!」というのは、

    ちょっと 違うぞと思えてきた!

 バックヤードツアーでは、書庫を順番に案内してくれますが、児童文学関係の単行本、全集、定期刊行物、マンガなど分野別に分類されて保存されています。

 この文学館の所蔵図書が、図書館の本と違うところが一つ。普通、図書館の本だと、本の表紙が痛まないようにビニールのカバーが貼り付けられたり、整理用のシールが付けられたり、何より単行本の場合、外箱は廃棄されてしまうのが普通。つまり、閲覧に便利なようにというのが考え方の基本だから。

 しかし、資料としては、装丁や外箱のデザイン、使用している紙やその他素材などをはじめ、印刷の方法なども全て研究の対象となるので、児童文学館でできるだけ、発行されたそのままの姿での保存に努めていると言うのです。

 そうか、ここはタイムカプセルのような働きなんだと納得。

 やっぱりちゃんと話を聞いて、納得しないと、「子供たちに見せていない」とか、「入館者が少ない」とか批判的な意見ばかり大きく聞こえてきて、誤解したままになるところだった・・・

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Fukusukesanicon  所蔵品の中でもっとも古いものは江戸末期の『於(お)とぎはなし』(1822年)

 

    

 「税金でマンガばかり買い集めている!」と批判されていた文学館だから、さぞかしマンガだらけと思ったら、そうでもない・・・確かに、マンガを中心に保管している書庫は当然ながら、マンガだけだが・・・・

 ツアーの目玉は、一番厳重に鍵がかけられた書庫。その名も「希少書庫」。その中には、貴重な古書が大切に保存されている。

 その中でも一番のお宝、文学館の所蔵物の中でもっとも古いものが、江戸末期、1822年に発刊された『於(お)とぎはなし』 そもそも大人向けに出されていた草紙もののうち、絵が多く、比較的分かりやすいお話ということで、子供向けとなっていたらしいが、もちろん庶民の子供たちが気軽に読めるものではなかったらしい。

 他にも、児童文学の元祖と言われる巌谷小波(いわや・さざなみ)が1891年(明治24年)に博文館から出した『こがね丸』や、1000部しか刷られず、さらに売れ行きも最悪だった宮沢賢治の『注文の多い料理店』の初版本。現在ではたいへん貴重で、全国の博物館から借り出しの要請が多いという明治から大正初期にかけて出版されたミニチュア本『日本一ノ画噺(えばなし)』は、全35冊が完全に揃っているだけではなく、当時セットにされていた本棚まで保存されている。

 「希少書庫」以外にも、児童文学、児童書籍に関する研究書や研究論文をはじめ、さまざまな研究資料が収蔵されている。そういったところには、全く触れないで、とにかく「税金を使って、マンガばかりを集めている」という批判を繰り広げたのは、いったい、誰が、なんのためだったのだろうか・・・・・

 

090526174034 0905261749461 ←貴重な資料が痛まないように古書に関しては、保存に対してさまざまな工夫が凝らされている。こうした書庫については紹介せずに、ことさらマンガばかりだと言い募る人がいるのはなぜなのだろうか・・・・






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Mozillaicon うひょー、生まれた年の雑誌が! あーっ!これ読んでた! 

 難しいことはさておき、ずらりと揃った定期刊行物の中には、どの年代にも懐かしいものが。もはや出版社にも残されていないという定期刊行物や、戦前の少年少女向け雑誌、さらには手書きの紙芝居なども、丁寧に保存されています。

090526181216  これらは、見て、読んで楽しむというよりは、当時の風俗や習慣、生活などを調査研究する者にとっては、どれも貴重な資料です。

 たとえば、私が思いついたのは、「小学生向け雑誌に現れる中小企業像」について、なんていうテーマ。いつ頃から中小企業に対するイメージが形成され、その価値観は変化してきたのだろうか・・・・

 書籍そのものだけではなく、当時の雑誌に付けられていた付録の冊子や道具などから、外箱、カバーや同封されているチラシなどが、全て完全な形で保存されている。その時代、時代の生活様式や教育、技術の変化などを研究する人たちにとっては、どれも不可欠なものだろう。

 他の図書館で、一部、こうした資料を全面的に公開しているところもあるが、その多くで切り取りや盗難などが相次ぎ、資料としての価値が損なわれるケースが続出している。調査研究などで資料を見たいという人が、その資料を見ることが困難になることを防ぐ一方で、「とにかく多くの人に公開してしまえ」と資料的価値を損なってしまうことを防ぐという、いずれも難しい課題があることを知って、改めてため息である。090526181507

 他の人はどう考えるか知らないけれど、少なくとも公開用ではなく、次世代の保存用に取っておくべきものは取っておくべきじゃないのかなあ。仮にもともと「子供向け」の書籍だったとしても、30年も40年も前のものを、むやみに子供に見せるものではないと思うのですが。「子供の本は、もっと子供に見せろ」という意見は、ちょっと聞くと正しいように思えるのですが、危険ですね。だまされやすい。

 ま、しかし、そういう難しいことは置いておいて、とにかくずらりと揃った少年向け、少女向け雑誌に、「学習」と「科学」を前に、大人は結構、大盛り上がり。マンガも批判される対象ですが、それぞれの時代背景を投影しているだけではなく、印刷技術などの研究対象にもなります。実際、私も商業問題を講義する時に、マンガの中の生活習慣などで説明しています。

 どうも、マンガを目の仇にする人というのは、私たちの同世代で、親の言うことをよーく聞いて、「あんなのものを読むと頭が悪くなるよ!」と信じている人たちかも・・・確かにねえ、そういう側面はあるでしょうけれど、そろそろ一つの文化史としての対象にしてもいいのではないでしょうか。

 それ以外にも、紙芝居のコレクションが充実。なんと街頭紙芝居で使用されていたものは、全て手書き。裏のせりふも手書きされたものが残っています。テレビ以前、街頭で演ぜられた紙芝居は、多くの子供たちをワクワクさせたもの。中には、その後、小説やテレビの原作になったもの多い。文学館には、実際に使われていた紙芝居の木枠なども保存されているのです。

 

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色鮮やかな紙芝居は全て手書き

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 行ってみなはれ 見てみなはれ

 なんでも行ってみるもんだなあというのが正直な感想。

 実は、近所に住んだり、学校に通ったりしながら、国際児童文学館に足を運んでこなかった。その理由には、単純な間違った思い込みがあって、子供向けなんだと考えていたからだ。

子供向けの図書館 ⇒ なのに入館者が少ない ⇒ その上、マンガばっかり集めている ⇒ 税金の無駄使い ⇒ 廃止にしてしまえっ!死蔵してないで、もっと子供の手の届くところに置け。子供の笑顔を!!

 いやはや、もし私も知人に半ば強引に連れて行かれなければ、すっかり上の考えのままでいたかも知れない。そう考えると、わざとか、知らずか、上の考えを補強するような映像とか情報をマスコミに流し続けた人たちと、それになんの疑いを持たなかった私なぞとは同罪ですな・・・・・・

 実際に訪問してみて、自分が考えていた子供向けの図書館ではないことが理解できた。できるだけ多くの人が借りれるように、また、借りる人が多い本を中心に購入するのが一般の図書館の役割。児童文学に関する書物を網羅的に収集、永久的に保管するというのが、この児童文学館の役割。実は、似て非なるものだったのだ。それだけに、出版社からは無償での寄贈がなされてきたわけです。(左下の写真⇒出版社から永久保存のために寄贈された書籍。この写真だけを切り出せば、こんな子供向けの本があるのなら、子供たちに公開せよということになるが、そもそもの目的が違う。)
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 三流学者には、藪医者のように「もう少し早く知っていたらねえ」という無責任な意見しか出せなくて、情けない限りなのだが、出来る限り、いったい何が起こったのかを多くの人が見に行って考えるべきだと思った。

 しかし、永年保管されてきた産業遺産は廃棄されるし、国際児童文学館も廃館されるし、おまけに万博記念機構も廃止されるらしいですし、コストカットはいいけれど、ほんとに「味噌も糞も」一緒に捨てられてしまうのでは・・・なにがどうなっているのやら。

 とにかくまあ、あれよあれよと言う間に無くなってしまうのですから、とにかくみなさん、無くなる前に見に行っておきましょう。せめて、自分の目で確かめて、これで良かったのかどうか。

 いや、まあ、とにかく貴重なものや、めずらしいものや、おもしろいものがあるのですから、近所から無くなる前に見に行っとこうやないですか、北摂地区のみなさん。関西の研究者のみなさんも。残されている時間は、ごくわずか。長くて来年(2010年)の3月、とにかく廃館を急ぎたいという知事の意向らしいので、もしかすると年内で閉館かも知れないらしいので、できるだけお早めに。

 

 

Cat5256x256_2 国際児童文学館 バックヤードツアー

《おとなの社会科見学》

  中学生以上が対象の裏側探検ツアー。
 文学館の書庫の奥深くまで、入ってみましょう。

 懐かしいあの本、あの雑誌、あのマンガに出合えるかも。
 自分の生まれた年、月の本も発見できるかも。
 また、日本でもここだけしか残っておらず、各地の展覧会、展示会に貸し出されることも多い、珍品、名品をまぢかに見られるチャンス。

 企業、自治会やPTAあるいは同好会、大学のゼミ、研究会など団体の場合は、別途見学受付がなされますので、下記の問い合わせ先まで。

 小学生向けにも、同じ時間帯で別に実施されています。

 開催日時 : 毎週土・日・祝日 午後3時から約45分間のツアー
 参加申し込み : 当日受付 こども室カウンター前にお越しください。参加者多数の場合は、先着順で制限されることもありますので、ご了承ください。
 参加費 : 無料

 問い合わせ先 : 財団法人大阪国際児童文学館 見学担当
              電話06-6876-8800
              メール info@iiclo.or.jp

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 先週は、怒涛の忙しさで一週間が過ぎていきました。特に3日に開催されたパネルベイ・サミットは、打ち合わせや資料の用意、整理などかなり神経も使いましたので、見込まれていた来場者数よりもかなり多くの方が来ていただき、ほっと一息です。

Drinks

 さて、今回のニュースBIZは、日経新聞との連動企画として環境ビジネスを取り上げるシリーズの一つでした。この日(6月4日)のテーマは、「水ビジネス」でした。

   

   特集では、水の浄化を研究する東レの水処理開発センターのリポートから始まりました。MBR(膜分離活性汚泥法)と呼ばれる方法で、微生物と膜を組み合わせる方法。省スペースで、電気使用量も少ないので省エネ。ただ、鍵となる膜の開発がここ十年ほどで急激に進展したことで、世界各地で導入が進んでいる。ちなみに微生物の大きさは、約0.5マイクロメートル。膜の穴は、0.08マイクロメートル。微生物の働きで浄化された水を、膜を通して取り出すわけですが、微生物は排出されない仕組みです。東レによると、2008年度のこの事業の市場規模は約280億円。2年後には350億円へと成長を期待しており、今後、研究開発が進むと同時に十年も経てば、世界中で導入が進み巨大事業へと期待ができるそうです。

 なぜ、こうした水ビジネスに期待が集まるかと言うと、人口増や環境の悪化などから世界各地で水需要が拡大し、環境問題が着目されることあって、水ビジネス市場は拡大すると予想されているからです。経済産業省は、2025年には、水ビジネス市場の世界規模は100兆円を越すと予想(2008年版通商白書)し、水質浄化や上下水道の運営といった事業展開への支援強化のため、2009年度補正予算案に、水資源ビジネスに関連し約50億円を計上しています。

 さてのこの100兆円規模の水ビジネス。予想による内訳は、水処理膜などが約1兆円、建設・エンジニアリング関連が約9兆円、そして残りの約90兆円は上下水道運営管理事業となっています。少子高齢化などで市場規模が縮小傾向をみせると同時に、自動車などここ十年間を牽引してきた工業製品の輸出が国際競争の中でかげりを見せる中で、こうした拡大基調にある新市場に乗り出すことは不可欠なことです。2025

 ところが、現在のところ、日本は後発組だと言わざるを得ません。フランスのスエズ社、ヴェオリア・エンバイロンメント社に、テムズ・ウォーター社(元はイギリス。現在は、オーストラリアのマッコーリーグループの傘下)の三社が、水男爵(ウォーターバロン)と呼ばれ、世界の水ビジネス市場の8割ちかくを握っていると言われています。しかし、拡大基調にあるこの市場を狙い、アメリカの大手企業も参入を進めていますし、当然ながら日本も・・・・

 さて、日本の動きが鈍いのはなぜなのでしょうか。実は、日本では浄水技術やプラント製造などの分野では民間企業が活躍してきたのですが、上下水道の運営管理は永年、行政が独占的に行ってきており、そのノウハウの輸出などは考えもしなかったというのが現実だったようです。日本での民間への包括委託が可能になったのは、2002年のことで、ビジネスとしてはまだ初期段階だと言えるのです。

 2009年1月には、民間企業28社の参加による有限責任事業組合「海外水循環システム協議会」が設立され、欧米の水メジャーに対抗すべく日本陣営の確立が急がれています。また、4月には関西財界が中心となって、北京で水環境フォーラムを開催し、関西の水処理技術をアピールしました。一方、大企業ばかりではなく、水処理関係の技術や機器類の場合、その多くが排水処理であり、顧客の多様なニーズに応える必要があることから、中小企業にとっての参入のチャンスが大きいと大阪府では考えています。府では、今後、中小企業の海外進出などの支援を強化するそうです。

Aquarium128x128 ここまでがニュースでお伝えした内容に、少し補足説明をしたものです。

 さて、今回の特集で考えたことは、実は、大学の講義の時に学生たちによく話す内容と同じでした。それは、こうした日本の環境ビジネスの技術水準の高さは、実はひどい公害を引き起こしたという経験に基づいていることを忘れてはいけないということです。

 私が子供の頃の記憶にある風景。大きな河川で、少し段差があったりすると、まるで洗濯機のように泡が立ち、風でその真っ白い泡が飛び散るところ。小学校で、朝礼の時、光化学スモックによる大気汚染で倒れてしまう友人たちがいたこと。夏休み、市民プールに出かけると「光化学スモックのため休園」と書かれた札があり、「子供は家から出ないようにしなさい」と言われたこともありました。背骨の曲がった奇形の魚が獲れて、大きな社会問題になったことも記憶にあります。

 ついこの間まで、大阪や東京の都市部では、特に夏場、水道水が臭くて、飲む気がしなかったことを覚えている方も多いでしょう。

 高度経済成長のいわばツケとして、公害は発生し、多くの人を苦しめ、犠牲を出したこと。そして、現在の環境技術がそうした経験によって培われてきたことを忘れてはいけないなと思うのです。

 急成長する世界の水ビジネス市場。欧米のメジャーに独占されていくのを見過ごす訳には行かないでしょう。一方で、上下水道という公共インフラが行政の手を離れて、民間のビジネスとして運営されることの問題を生じ始めています。日本の「ものづくり」技術によって作り出される浄水や管理などの機器類や機材類が、新しい産業を生み出す可能性も大きく期待できます。巨大市場だからこそ、日本としてどういったことが出来るのか、充分な議論と検討も必要だなと感じました。

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おまけ ~ コーディネーター席のドキドキ


 今週は、3日にあったパネル・ベイサミットのパネルディスカッションのコーディネーターというお仕事があったので、結構、精神的に疲れました[E:gawk]

 パネルディスカッションというのは、見ているよりも、結構、進行が難しいものなのです。今回は、道路というインフラ、正直に言って、いろいろな意見があり、政治的にも絡んでくるような課題でしたので、その取り回しにはかなり気を使いました。

 そして、今回、事務方がたいへんだったのは、資料の多さです。当日に実際、使われたのはほんのわずかでかなりの枚数に及ぶパワーポイント資料が用意されていました。

 今回のパネルディスカッションをご覧になった方の中にも、「どうせ台本通りなんだろう」と思われた方がいるだろうと思います。確かに台本はありますが、今回は、パネラーのみなさんから「事前にあんまり細かいところまで決めてしまうとおもしろくないから」という意見が強く、どこに飛んでいくか、やってみてのお楽しみというところがあり、その場合に「もしかしたら」必要かも知れないという資料まで含まれていたので、厖大な資料が用意されていたのです。

 おまけに画像データが多くて、とても重い。舞台袖には、二台のパソコンが用意されて、不測の事態に備えていたのですが、なんと終了直前に一台がデータの重さに耐え切れず、フリーズしてしまうということが発生していました。Macbookproon256x256

 用心して、二台で廻すことにした事務方は大正解でした。なんでもそうですが、表に出ているところは、ほんの少しでバックヤードにはものすごい数の人が働いているんです。

 この厖大な資料を勉強させていただいたことは、かなりよい機会となりました。感覚では分かっているような気になっているものも、データでみてやっぱりとか、なるほどそうだったのかなどなど、西日本高速道さんと、阪神高速道路さんのスタッフのみなさんにも感謝です。

 ところで、梅田の北ヤードの開発が取りざたされているのに、そこへの導入路の整備がきちんと話し合われていないという指摘は、なるほどと思いました。

 個人的には、北ヤードの開発がこのまま順調に進むとは思っていないのですが、開発計画があるのに道路の建設予定がないというのは、確かに困ったことです。(道路が必要なのは、人が自家用車で行くためだけではなく、物品の納入、配達、廃棄物の回収など様々な面で必要だと言う議論でしたので、念のため。)本当に開発を進めるのなら、きちんと道路の整備もしておいていただきたいですよね。

 こんなこと書くと、またそこだけ取り上げられて「開発推進論」者って言われてしまうかも知れません[E:coldsweats01] 
 一度もお話したことないのに、私が書いたり、言ったりしたところのご自分の都合の良いところだけを抜き取って、「開発推進論」者って決め付けてくるようなのは、ちょっとどうでしょうかねえ・・・・ま、こういうお仕事をすると、そういう明後日の方向からも批判が飛んでくるので、疲れるのですよねえ・・・・と最後は、愚痴かいっ![E:sad]

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