中村ゼミの合宿の行き先は、東京。ここ数年、そう決まっている。知っているようで、意外と知らないところが多い、東京の街を見て、街づくりとか、産業問題とか、そういったことを考えてもらうというのが趣旨なのだけれど、どれくらい伝わっているのかは定かではない・・・・

 ただ、今年は、昨年、行き損ねた全日空の羽田整備工場にどうしても行きたいというゼミ生がいて、予約がとりにくいこの見学コースに早々と申し込んでいたのだ。なので、日程が決まっていた。

 もうひとつは、9月12日、13日に開催した「神戸国際大学勝手に付属博物館」という展示会だ。これは、正直なところ、われながら無謀な提案をしたものだと、途中でなんども放り出そうかと考えたくらい、大変だった。放り出さずにすんだのは、夏休み返上で、ものすごい勢いで取り組んでくれたゼミ生の存在以外なにものでもない。企画、資金集め、展示物の作成や収集、人の手配など、手前味噌になるが、我がゼミ生ながら感服した。

 と言うわけで、八月の終わりから、九月の頭は、こちらも何がなんだか分からないままに、ものすごく忙しい毎日で、はっと気がついたら秋風が吹いていた。少し呆然としているところなのだ。

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 さて、まず合宿であるが、今回はこれがまた結構、盛りだくさんで、全日空の整備工場見学に始まり、川崎の下野毛工業組合さんと「ものづくり共和国」さんへの訪問(町工場の見学と、経営者のみなさんとの意見交換)、そして日本銀行本店の見学。

 スケジュール的には前後してしまいますが、まずは川崎での見学風景。

 川崎市の下野毛地区は、住工混在で、数多くの町工場が軒を連ねる地域です。最近の景気悪化の影響も出ていますが、若手経営者がいろいろ工夫をしながら、さまざまな製品の製造や加工を行っています。

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 最初に見学させていただいたのは、へら絞りをされて

いる今野工業株式会社。ゼミ生の中には、こうした町工

場は初めてという者もいて、興味津々の様子だ。

 作られている物の説明を聞くに連れて、自分たちが普段身近に見ている物の中身がこうした町工場で作られていることに驚いているようだ。

 日ごろ、講義やゼミでも話をし ているはずなのだが、やはり現場で見るのは大きく違うようだ。製造業企業へのインターンシップ経験者が数名いたことや、普段のゼミ活動で

の会社訪問での経験のせいか、質問も心配したほど、まとはずれではなくて、少し安心。

 金属がまるでロクロで形作られる陶磁器のように形作られていく様子にも感心していました。金型の大切さなど、今の日本のものづくりの抱える問題も、直接お話を伺えて有益だったと思います。

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  次に見学させていただいたのが、株式会社トキワ製作所。とこP1050460ろ狭しと並べられた機械類に、まず圧倒され、さらに複雑な形状の加工にみんなびっくり。

 ここでも量産品は、海外との低価格競争が激しく、品質的には充分勝負できるが、加工のより難しいものを積極的にこなしていくしかない、そのためには設備類もより精密なものをというお話を伺えました。

 原子力発電所で使用される部材などがこうした町工場で作られていることを知って、改めて日本のものづくりの重要性を、せみ生たちは感じていたようです。

 夕刻からは、下野毛工業協同組合青年部のみなさんを交えて、交流会を開催していただきました。ゼミ生たちは、なかなかこうして直接、ものづくりに携わっていらっしゃる方たちとお話をすることが少ないので、大いに参考になったのではないかと思います。

 ゼミ生の中には、関西の中小製造企業や協同組合でインターンシップを経験した者もおり、川崎ならではの特徴に関心を深めていた様子でした。

 さて、その交流会の中で、見せていただいたのが下野毛工業協同組合青年部が、神奈川工科大学との連携で開発している「足であそボード」。町工場も匠の技を生かして、さまざまな製品開発に取り組んでおられます。

 最初は、「なんだこれ」的な反応だったゼミ生たちですが、遊び始めると熱中、絶叫。使ってはいけない手が勝手に動き出して、それがまたおかしい・・・笑

 「まだ、遊び方を検討中なので、いろいろ考えて」と言われて、いろんなアイデアがでていました。「病院や学校にあってもいいですね。」、「車椅子の人も一緒に遊べるような工夫があると良いですねえ」と言う意見もでていました。教室で勉強するのと違って、こういうことだと結構、熱心に、まじめに考えるんだよねえ・・・・

 懇親会の途中からは、某メーカーに勤務している中村ゼミOBも参加してくれました。

 こうした得がたい機会を作っていただいた上に、夜遅くまで懇親会まで開いてくださった下野毛工業協同組合のみなさま、ものづくり共和国のみなさま、本当にありがとうございました。

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下野毛地区のみなさんとは、もうかれこれ10年近いお付き合いになります。工場が集まる辺りにも、真新しいマンションや住宅が建ち始めています。川崎市の人口は増加傾向にあり、この辺りも、住工混在が一層進んでいます。そんな中でも、若手後継者の人たちが、様々な技術を駆使して、ものづくりにがんばっている姿を、ゼミ生たちは、どんな風に見てくれたのでしょうか・・・

※見学先リンク

  ・下野毛工業組合

  ・ものづくり共和国

  ・ものづくり共和国メールマガジン

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